カッコウ
( 郭 公 )
Cuculus canorus
Cuckoo
L=35 W=61cm

( 名前の由来 )
語源は明らかに鳴き声によるものである。


北蒲原郡中条町の村松浜に伝わるお話。

もともとカッコウではなくタッコウ鳥と呼んでいた。それには悲しいお話がある。

その昔・・・村松浜に母と娘が二人で暮らしていました。
ところが娘が病気になりとうとう亡くなってしまいました。

悲しんだ母親は一羽の鳥となり娘の名前のタツコを連呼するのでした。
その声は聞く人によってはタッコウ、タッコウと聞こえるのです。
それがいつのまにかカッコウになったそうです。

その日を境に母親は卵は産んでも子供を育てるのはやめようと決めました。
そこで同じ餌を食べる鳥の巣を選んで卵を産み子供を育ててもらう事にしたのです。
それが托卵性の始まりです。



郭公(かっこう)と時鳥(ほととぎす)とは昔ありし姉妹なり。

郭公は姉なるがある時 芋を掘りて焼き 、そのまわりの堅き所を自ら食い、
中の軟らかなる所を妹に与えたりしを 、妹は姉の食う分はいっそう旨かるべしと想いて
包丁にてその姉を殺せしに、たちまちに鳥となりガンコ、ガンコと啼きて飛び去りぬ。

ガンコは方言にて堅い所ということなり。
妹さてはよき所をのみおのれにくれしなりけりと思い、侮恨に堪えず、
やがてまたこれも鳥になりて包丁かけたと啼きたりという。

遠野にては時鳥のことを「包丁かけ」と呼ぶ。
盛岡辺にては時鳥はどちゃへ飛んでたと啼くという。

柳田国男 「遠野物語」より。